【安山(韓国)24日=木下淳】手倉森ジャパンのエースがレジェンド超えに挑む。1次リーグD組を2位通過した日本(U-21代表)は今日25日、決勝トーナメント1回戦でC組1位パレスチナと対戦する。現在4得点のFW鈴木武蔵(20=新潟)は今大会で2度の1試合2発をマーク。次も再現し、大会の日本人最多得点記録を持つ釜本邦茂(6点、66年バンコク大会)と一気に並ぶ目標を立てた。

 鈴木は1次リーグのクウェート戦とネパール戦で2発ずつ決めた。前回10年の広州大会で得点王になったFW永井の5点に王手をかけ「並ぶだけじゃなく追い抜きたい」。しかし、その上に釜本の最多記録があることを知ると「そこも追いつくだけじゃなく超えたいですね」と上方修正した。

 達成へ、前夜はパレスチナを分析した。試合映像を見て「裏を取られているシーンが多かった。センターバックの足も速くないし、背後を狙えそう」と50メートル5秒9の快足を生かすイメージを描く。大会3度目の複数得点を目指し「1点取ると余裕が出るので。ケチャップ、ドバドバ出したいですね」とACミラン本田の発言を引き合いに出した。

 ハットトリックの経験は群馬・桐生第一高3年時の全国選手権初戦(大社戦)や、12年7月のU-22アジア選手権予選(マカオ戦)であるが「僕の人生、基本的には2点止まりが多いんです」と切り出した。「小学生のころから。2点で満足しちゃう、弱い部分があった」。そう課題を明かした上で「貪欲に行かないといけないことは分かっているし、必ず来るチャンスを決めたい」と自分に言い聞かせた。

 決勝まで見据えれば残り4試合あるが「上に行けば行くほど手堅くなる。その前に取れるだけ取りたい」と早期達成を誓う。レジェンド釜本は7戦6発で66年バンコク大会の得点王に輝き、2年後のメキシコ五輪で銅メダルと得点王に輝いた。そこに並び、追い越すチャンスが鈴木にはある。<アジア大会の日本人得点ランク>(1)6点

 釜本邦茂(66年バンコク)(2)5点

 原博実(86年ソウル)(2)5点

 中山悟志(02年釜山)(2)5点

 永井謙佑(10年広州)(5)4点

 鈴木武蔵(14年仁川)※左から順位、得点、選手名、(年、大会)