次期日本代表監督の最有力候補バヒド・ハリルホジッチ氏(62=ボスニア・ヘルツェゴビナ)が、27日の親善試合チュニジア戦(大銀ド)で指揮を執れる可能性が高くなった。通常、就労ビザの取得には3週間ほどを要するが、早ければ1週間から10日で取得できる。12日の日本協会理事会で承認された後、すぐに申請すれば27日の試合でベンチに座ることは十分可能だ。

 ハリルホジッチ氏が、27日にも日本ベンチに座るかもしれない。1日、日本協会の大仁邦弥会長(70)は南米サッカー連盟の会議に出席するため、羽田空港から出発した。新監督の就労ビザについては「そのへんはまだ何とも言えない」と話した。一方、3月の親善試合2試合での代行監督については「まだ議論していない。そうなってからすればいい」と語り、可能性がある限り、最有力候補のハリルホジッチ氏の指揮を目指すことを感じさせた。

 2月28日のゼロックス・スーパー杯後に同会長は「正式に決まるのは、うまくいけば(12日の)理事会だろうと思う」と話した。正式決定は理事会承認を受けた後。契約交渉が順調ならば、細部の詰め作業と並行して就労ビザ申請の書類作成を進めることができる。理事会での承認を受け、同日中か13日に申請すれば、新生ジャパンへの移行は非常にスムーズに運ぶ。

 サッカーを含むスポーツ関係の外国人就労ビザは、東京入国管理局・就労審査部門の中の「興行」部門にあたる。通常は3週間前後かかるが、受け入れ先が日本サッカー協会、かつ同氏も他国での代表監督などの実績があるため大幅短縮も望める。

 同部門の担当者は「申請する書類に不備がないことが前提ですが、過去に外国人の方と契約したことがあれば、必要書類や手順が分かっていると思います。ですので、早ければ1週間から10日で下りる可能性は高いです」と話した。最速で3月の第3週にもビザが下りる可能性はある。

 代表チームにとっても迅速なビザ取得は重要なポイントだ。現状では、3月の2試合は技術委員会中心のメンバー選考が予定されるが、ビザ取得次第ではハリルホジッチ氏の意向が選考に反映される。来日が早まれば、それだけJリーグ視察の機会が増える。フランス在住の同氏が日本代表常連の欧州組の試合をテレビなどでチェックすることは容易なことだ。

 6月から始まるW杯予選へ、スピーディーなビザ取得は、幸先のいいスタートにつながる。

 ◆バヒド・ハリルホジッチ 1952年10月15日、旧ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)生まれ。フランス1部ナントなどで活躍したFW。母国のベレジュで指導者になり、パリサンジェルマンでフランス杯制覇。リールで仏年間最優秀監督。08年コートジボワール代表監督。14年W杯ブラジル大会ではアルジェリア代表を16強に導いた。