なでしこジャパン(FIFAランク4位)MF横山久美(21=長野)が、代表初出場初先発でゴールを決めた。ポルトガル(同42位)戦で勝利に貢献。1-0の後半9分、約20メートルのミドルシュートでアピールした。初出場初先発初得点はINAC神戸MF澤らに続く、史上10人目。1-2で負けた4日のデンマーク戦から先発を総入れ替えし結果を出した。9日にフランス(同3位)と対戦する。

 21歳の横山が右足を思い切り良く振り抜いた。MF宇津木のパスを受けると、相手DFを背に鋭く反転。持ち味のドリブルで切り込むと、約20メートルミドルをゴール左隅に突き刺した。「後半1発目のファーストシュートで決められて良かった。得意なパターンだった」と笑顔を見せた。

 本来はU-23(23歳以下)ラ・マンガ国際に出場予定も、メンバーの負傷辞退で国内合宿に練習生として呼ばれた。練習試合でなでしこリーグ勢から得点も量産。日テレ戦は指揮官も視察。直立不動であいさつし「良くなってるぞ」と声もかけられた。合宿でもアピールを続け初招集。13年アルガルベ杯のFW田中美南(日テレ)以来、史上10人目の初出場初先発初得点となった。

 10年U-17女子W杯トリニダード・トバゴ大会北朝鮮戦では「6人抜きゴール」を決め、FIFA年間最優秀ゴール賞にメッシらと並んでノミネートされた逸材。昨季はチャレンジリーグ(2部相当)21戦30得点で得点女王に輝いた。「次も得意のドリブルだったり、ターンからのシュートを狙っていきたい」。なでしこ待望の新星が登場した。

 ◆アルガルベ杯 出場12カ国がA~C組に4カ国ずつ分かれて1次リーグ3試合を行う。11日の順位決定戦は、各組1位の3カ国で成績上位2カ国が決勝戦進出。残った1カ国と各組2位の成績最上位国が3位決定戦。すべての順位を決定する。今年から大会方式が変更された。

 ◆横山久美(よこやま・くみ)1993年(平5)8月13日生まれ、東京・多摩市出身。幼稚園時に17多摩SCでサッカーを始め、鶴牧SC-欅SC-スフィーダ世田谷を経て十文字高進学。10年U-17女子W杯での「6人抜きゴール」は「女メッシ」と評価された。卒業後の12年にはイングランドの強豪アーセナルから獲得オファーを受けたが、岡山湯郷入り。14年に長野に移籍。AKB48好き。155センチ、54キロ。