なでしこジャパン(FIFAランク4位)が、フランス(同3位)に完敗した。前半43分にMF川澄奈穂美(29=INAC神戸)の右足ゴールで先制したが、後半に3失点するなど攻守に圧倒された。1勝2敗の勝ち点3でC組3位に終わり、初優勝を逃しただけでなく、6月開幕の女子W杯カナダ大会での連覇に向け、課題が山積みとなった。今日11日は9、10位決定戦でB組4位のアイスランドと対戦する。

 なでしこジャパンが、W杯連覇の難しさを再認識させられた。佐々木監督が「W杯優勝候補本命。高くて速くて強い。一番成長しているチーム」と警戒するフランスに対し、現時点での力の差を見せつけられた。

 相手の猛攻に混乱し、後半8分にPKを献上すると、DF陣の連係ミスなどから3失点。主将のMF宮間は「負けてしまって情けない。何も言葉はない。結果は深刻に受け止めている」と険しい表情を見せた。

 DF岩清水、鮫島、MF阪口ら主力数人を温存したとはいえ、序盤からの劣勢を切り替えることはできなかった。FW大儀見、菅沢とつないだ唯一の好機を決めた川澄も「後半のフランスが本来の姿。スイッチが入った時の勢いは本当にすごかった。本番ならあれを90分間やってくるはず」と危機感を漂わせた。

 フランスだけでなく、12年ロンドン五輪金メダルの米国や、12年U-20(20歳以下)W杯日本大会を制し若手との融合に成功したドイツなど、強敵は多い。指揮官はコンディションの差を敗因に挙げたが、終始防戦一方だったことは事実。耐えて、粘って勝利につなげてきた、なでしこらしさは皆無。立て直しには、あと3カ月しかない。