【シャーアラム(マレーシア)18日=木下淳】リオデジャネイロ五輪アジア1次予選(27~31日)に向けて、開催国で合宿中のU-22(22歳以下)日本代表が「地獄のサーキット」に取り組んだ。強度の高い20種のトレーニングをして筋肉を刺激。A代表で4度のW杯を経験した早川直樹コンディショニングコーチ(52)が、代表を本格指導して14年の間に積み上げたメニューで肉体を追い込んだ。

 灼熱(しゃくねつ)以外にも地獄が待っていた。気温37度、湿度70%。噴き出す汗が体にまとわりつく中、U-22日本代表がサーキット・トレーニングをこなした。2人1組で10カ所の関門を回り、メニューは20種目。1セット目は各種目15~20秒、2セット目は20~25秒に負荷を上げた。上半身と下半身を連動させた動きで、体をいじめては移動を繰り返した。

 1次予選の初戦マカオ戦まで9日。早川コーチは「正直、負荷は重い」と明かした上で「いま筋肉に刺激を入れることで、本番で強い力を出す基礎にしたい」と説明した。MF野津田は「この暑さですぐ息が上がるし、きつかった。でも良い刺激になった」と納得。終了後はすぐパス回しなどを行い、鍛えた筋肉をサッカーの動きになじませた。

 歴代のW杯戦士が通ってきた道だ。早川コーチは01年からA代表の指導を本格化し、W杯は02年の日韓大会から4大会連続で経験。岡田監督、ザッケローニ監督のW杯前、アギーレ前監督のアジア杯前にも今回と同じサーキット・トレーニングを選手に課してきた。

 活動が10日前後しかない国際Aマッチ期間では難しく、A代表でも大きな大会の前しか経験しないメニュー。今回は試合11日前からのマレーシア直前合宿が実現したことでリオ世代も初体験できた。早川氏は「早川スペシャル? いやいや」と謙遜したが、熟練の調整法で状態を上げていく。