U-22(22歳以下)日本代表がU-22マカオ代表を一蹴し、白星発進した。前半22分にCKからMF遠藤航(22=湘南)が先制ヘッド。6大会連続の五輪出場へ、リオ世代をけん引する主将の「予選第1号」で第1歩を踏み出した。手倉森誠監督(47)は予選初采配を勝利で飾った。第2戦は明日29日、U-22ベトナム代表と対戦する。

 リオへと続く長旅の始まりを告げたのは、ボランチ遠藤の先制弾だった。前半22分、左CKに備えて上がり、ファーサイドへ走ってマークを外す。MF豊川が蹴ったボールが膝の高さに来た。迷いなく頭から飛び込むと、力強く地面に弾んでゴールに突き刺さった。攻めあぐねた序盤の不満を吹き飛ばすダイビングヘッド。予選第1号に「取れれば楽になると思っていた」と主将らしく振り返った。

 この得点でチームの力みが取れた。4分後に豊川が続き、さらに5分後、MF野津田の豪快ミドルが決まって大勢が決した。最高気温37度。「マレーシアに来て最高の暑さ」と野津田が苦笑いした酷暑の中、遠藤は涼しい顔だ。衰えない運動量で攻守を切り替えた。

 ハリルジャパンの柴崎や武藤、宇佐美らと同じ「プラチナ世代」の一員だが、早生まれのためリオ世代にいる。「(A代表に)同い年が当たり前のように入るようになった」と刺激を受ける一方で「ネクストA代表」の筆頭候補だ。今月11日の壮行試合ミャンマー戦の前に「体組成測定」を行い、筋肉量や体脂肪率、LMI(筋肉指数)など全6項目の数値が、アジア杯代表の平均値を超えていた。

 W杯4大会連続出場の早川コーチが「代表のMFと比べても体は強い。A代表レベルに達している」と評価すれば、遠藤も「世界と戦うなら数値は高い方がいいし、当たり負けしないフィジカルは売り」。新生日本代表に見劣りしない能力をこの世代で示している。

 手倉森監督から「マカオとの試合を見て、続けてA代表を見る人は我々を比較する。それを意識しろ」と言われて迎えた初戦で「アンダー世代も、しっかり戦えるところを見せたかった」と結果で応えた。7点発進。手倉森ジャパンは遠藤を旗頭にリオへ突き進む。【木下淳】

 ◆リオデジャネイロ五輪アジア予選 今回から中立地での短期集中開催(セントラル方式)で五輪出場国を決める。第2回U-23アジア選手権の予選を兼ねており、1次予選(選手権予選)は東西アジアが10組に分かれて行われる。各組1位と各組2位の上位5チーム、さらに開催国カタールの計16チームが来年1月の最終予選(選手権本大会)に進出。同大会の上位3チームが五輪出場権を獲得する。