【シャーアラム(マレーシア)30日=木下淳】U-22(22歳以下)日本代表は今日31日、リオデジャネイロ五輪アジア1次予選を兼ねるU-23アジア選手権予選で、マレーシアとの最終戦に臨む。2点差以上で負けない限り、最終予選を兼ねた来年1月の本大会への1位通過が確定する。前日29日のベトナム戦で不発だったFW久保裕也(21=ヤングボーイズ)は、右足首痛をおしての強行出場を志願。今後を見据え、トップ下での先発起用が確実になった。

 久保が覚悟を決めた。1次予選突破がかかる最終マレーシア戦へ「出ます。出ろと言われれば、もちろん」。前日のベトナム戦(2-0)で相手選手と接触し、右足首を痛めていた。後半10分まで痛みを隠して出場したが、無得点。「全然ダメだったし、もっといいプレーをして貢献しないと」。朝から患部のアイシングと圧迫を繰り返し、決戦に備えた。

 午後5時から始まった練習は、雷を伴う激しいスコールでわずか8分間で終わった。最終戦を前に、今遠征15日目にして初の中止に追い込まれたが「中(室内)でも動けますし、問題ない」と久保。「雷も怖くなかった」と動じなかった。

 志願の強行出場だけでなく、ピッチ上の立ち位置も変わる。手倉森監督は初戦で1トップ起用した久保について「明日はトップ下です」と明言。負傷も抱えているが「無理してでも、短い時間でもやってもらいたい。次に彼と一緒にできるのは来年1月(最終予選)なので。どんなプレーができるのか、オプションとして試しておく」と話した。

 慣れ親しんだポジションでもある。ヤングボーイズでは昨年まで1トップで起用され、主にスーパーサブとして34試合7得点。今年からトップ下に移ると先発に定着し、14試合3得点と輝いている。「トップ下の方が長いですし、やりたい思いはある」。パサーではなくセカンドストライカーに近いタイプ。「臨機応変に2トップの形にもなれますし、前線ならどこでもできます」と自信を見せた。

 今日のマレーシア戦は引き分け以上、負けても1点差なら1位通過が決まる。有利な条件で、手倉森監督は「スイスでは長身選手と組んでいる。うちのデカいの(185センチのFW鈴木)とも組ませたい」とテストしながら勝つ構えだ。期待を背負う久保は、手倉森ジャパン初ゴールで応える。