女子W杯日本代表のINAC神戸MF澤穂希(36)が、W杯はカナダ大会(6月6日開幕)が最後になると明言した。8日、神戸市内での練習後、W杯に「どう考えても最後でしょ。40歳になったらセカンドライフのことも考えたいでしょ」。19年同フランス大会は頭に入れていない考えを示した。来年のリオ五輪には含みを持たせたが、40歳になる4年後には現役引退している可能性に触れた。

 澤の口調に迷いはなかった。シャワーで汗を洗い流し、さっぱりとした表情で、世界初の6大会連続出場がかかるW杯カナダ大会について、口にした。

 「どう考えても最後でしょ。4年後となると30代じゃなくなりますし、40代でちょっと厳しいなと思って。自分の中では最後と思って、全力でやりたい」

 レジェンドがラストW杯宣言。報道陣から「カズさんの例もある」と48歳のJ2横浜FCのFWカズを引き合いに出されても「いやいや」と笑うだけだった。

 33歳だった12年ロンドン五輪では「集大成」という言葉を使ったが、当時とは状況が異なる。「40歳になったら、セカンドライフのことも考えたいでしょ」と進退にも触れた。19年フランス大会ではスパイクを脱いでいる可能性を示した。

 4年後はもう頭の中にない。澤が視野に入れる最後の世界大会は、来年のリオ五輪。「現役でやっていれば、もちろん目標を高くもってやりたいというのがいつも自分の中にある。W杯が終わって、シーズンが終わって、また現役を続けるのであれば、そこ(リオ)を目指してやりたいという気持ちはある」。一方で「1年1年が勝負だと思っているので、その時の気持ちを大事にしたい」とも話し、来季の現役続行が100%というわけではない。

 「自分の立場、コンディション、年齢が変わってきた中で、何ができるか。経験を少しでも伝えられたらいい。試合に出ようが、出なかろうが、チームのために自分のために、全力で出し切りたい」。代表選出時に「泣きそうでした」と言ったラストW杯。全身全霊を注ぎ込む。【益田一弘】