なでしこジャパンMF澤穂希(36=INAC神戸)が女子W杯カナダ大会(6月6日開幕)で着用するスパイクが、26日までに決まった。アディダス社の新モデル「ACE(エース)」で、7月1日に一般発売されるものと同型だが、独自の配色となる「澤モデル」が採用される予定。カナダ入り後に着用する。

 今大会は史上初の人工芝での開催となる。足元にかかる負担は天然芝よりも大きく、スパイクは重要。「絶対的支配~ゲームを支配するプレーメーカー~」をコンセプトに、澤らの意見も集約。ピッチとの接地面積を増やすなど安定感抜群。攻守に瞬時の判断が求められる澤にとって、心強い武器になる。

 若手の心強い味方にもなった。この日の柔軟運動中に、右膝痛を再発したFW岩渕に寄り添った。04年4月のアテネ五輪予選北朝鮮戦で右膝半月板を損傷しながら戦い抜いた自身の経験を伝えた。その姿は国立で観戦していた小学生の岩渕の記憶にもあった。「あの時、私は24歳だったよ」「やりたいよね、焦っちゃうよね」。メンバー最年少の傷心をやわらげるように、精神面をケアした。【鎌田直秀】