【エドモントン(カナダ)28日(日本時間29日)=鎌田直秀】なでしこジャパンMF澤穂希(36=INAC神戸)が「クローザー」としてW杯連覇を導く。前回大会では先発完投型だったが、苦しい場面を救う大黒柱として、佐々木監督の期待は大きい。澤は7月1日(同2日)の準決勝イングランド戦に備え、FW岩渕真奈(22)ら控え組だけで約1時間半の調整をした。

 オーストラリア戦から一夜明け、控え組でのパスゲームでは笑顔や大きな声で仲間のムードを高め強烈なスライディングタックルも見せた。勢い余って顔面ブロックでクリアし、途中で佐々木監督から別メニューのランニングを促された。

 決勝トーナメントの1回戦オランダ戦は残り10分、準々決勝オーストラリア戦は終了間際で起用された。佐々木監督は練習後、「澤が入った瞬間にみんなの意識が高まるし、引き締まる。最後の一番厳しいときに澤の背中を見て切り替えてもらう」と意図を説明した。DF熊谷も、オランダ戦後には「パワープレーになってもしっかりはね返してくれるし、澤さんのところで受けてくれるので時間などもうまく使える」と澤への信頼感を強調していた。

 連覇までの2試合は消耗戦が予想される。フィジカルで劣るだけに、試合終盤の澤投入は、チームに大きな活力になる。なでしこジャパンにとって、澤の「ストッパー」起用は勝利の方程式を意味する。