右太もも裏を負傷している日本代表DF太田宏介(28)に「ハリルチェック」が入った。27日、日本協会の霜田技術委員長とメディカルスタッフの4人が東京・小平市内の東京の練習場を訪れた。太田が、東アジア杯(中国・武漢)に出場できるか見極めるためだが、クラブの練習を4人もの協会スタッフが視察するのは異例。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は入念に準備を進める。

 日本代表メディカルスタッフが、東京の練習場に次々と現れた。香取ドクター、前田、菊島両トレーナー、さらに霜田技術委員長まで加わり、太田が負傷している右太もも裏の状態に入念な「ハリルチェック」が入った。19日の山形戦での負傷後、初めて全体練習に合流した太田は、ミニゲームを含むフルメニューを消化。そのプレーぶりを見守った代表スタッフと、練習後には直接話をした。

 負傷直後の23日に東アジア杯のメンバーは発表されたが、太田は回復できると見込んで選出されていた。視察を終えた霜田技術委員長は「29日の仙台戦にしっかりと出て、チームに貢献してもらって、代表に合流してもらいたい。宏介から直接アピールもありましたし、(ハリルホジッチ)監督に報告します」と、直接見聞きしたことを指揮官へ伝える。メディカルスタッフ陣も東京のスタッフと情報交換し、回復具合の確認が行われた。

 ハリルホジッチ監督がメンバー発表会見で「私のスタッフを練習に派遣する」と明かしていた言葉通り、チェックを欠かさず遂行。代表スタッフによるJクラブの練習視察はこれまでもあったが、4人体制でのチェックは異例。連覇がかかる大会に向け、けが人を危惧する同監督の入念な準備ともとれる。

 25日の前節鹿島戦を欠場した太田は「伝えたいことを直接伝えられるし、心配して気に掛けてくれることはうれしい。最善の準備をしたい」と仙台戦で復帰の予定。東アジアの覇権をかけたハリルの戦いは、もう始まっている。【栗田成芳】