なでしこジャパンMF京川舞(21=INAC神戸)が、約3年5カ月ぶりの代表復帰で「大儀見の相棒」に名乗りを上げた。28日、女子東アジア杯(8月1日開幕、中国・武漢)に向けた愛知県内での合宿は、午前、午後の2部練習で本格始動。12年2月のアルガルベ杯で高校生デビューした逸材が、今大会での得点量産で女子W杯準優勝2トップの一角崩しに挑む。

 MF京川が、攻撃的ポジションのサバイバル競争に生き残る決意を表明した。「自分の長所はゴールをとれること。今後のなでしこジャパンメンバーにも入りたいし、澤さんや、INACの代表メンバーと一緒にピッチに立ちたい」。6月の女子W杯では、エースFW大儀見と2トップを組む選手が流動的だった。安藤、菅沢、大野が起用されたが、大儀見の相棒争いは激しさを増す。今大会での活躍は、候補の1人に名乗りを上げる近道となる。

 宮城・常盤木学園高の卒業を前にした12年2月、アルガルベ杯で代表デビュー。だがINAC神戸入団後は度重なるケガで代表から遠のいた。それでも先輩の澤は「舞には期待している。攻撃陣の1人として代表で活躍できる選手」と日頃から気にかける。今回の合宿前にも「頑張っておいでね」。言葉は少なかったが、京川の士気は高まった。「澤さんや先輩たちの背中を見て成長できている。世界の舞台に立ちたい気持ちも強まった」。今季リーグでチーム最多の7得点。代表での活躍も恩返しになる。

 この日の練習では左サイドバックでも起用された。3月、U-23日本代表で臨んだラマンガ杯で、高倉監督に右サイドバックで起用されて以来だ。高倉監督は「DFの気持ちも分かるし、前を向けるから良さが生きる」とし、佐々木監督にも伝えていた。京川は「勉強です。いろいろなチャンスをもらっているので、結果を残したい」。東アジア杯での代表初得点を、周囲も本人も待ち望んでいる。【鎌田直秀】