来夏のリオデジャネイロ五輪を目指すU-22(22歳以下)日本代表の候補合宿が23日、京都市内で始まった。初招集された最年少19歳のFW鎌田大地(鳥栖)が、母校の東山高で行われた練習に参加。高卒1年目ながらJ1で3得点3アシストしている今合宿の目玉が、代表定着への第1歩を踏み出した。合宿は26日まで行われ、最終日にJ2京都と練習試合を行う。

 初めて日の丸の練習着に袖を通した場所は、偶然にも母校だった。人生初代表のFW鎌田が、出身の東山高グラウンドでU-22代表合宿に初参加。「代表として戻って来られてうれしいけど、人見知りが激しいので不安だった」。そう恐縮しながらも手倉森監督と会話し、京都橘高出身で1歳上の小屋松らと談笑。前日の横浜戦でフル出場したため軽い調整で汗を流した。

 リオ世代を底上げする期待の19歳。東山高から5クラブ競合の末、鳥栖に入った。高卒1年目ながら前線の定位置をつかみ、5月10日の松本戦で初出場初ゴール(クラブのJ1最年少記録)を挙げるなど3得点3アシスト。180センチの頑丈な体から正確なラストパスとシュートを繰り出す。FW豊田も絶賛する素材だ。

 中学時代はG大阪ジュニアユースに所属。ユースに昇格できず、高体連サッカーを選んだ道は日本代表FW本田と通じる。比較されると「フィジカルが強い印象。追いつけるようやっていきたい」と話したが「ただ、目標の選手はいない。自分のスタイルでやっていく」。東山高の福重良一監督(44)も「ものすごい人見知りなのに最後は志願して主将になって、100人を超える部員を引っ張った」と心(しん)の強さを証言する。

 U-22代表の手倉森監督も「自分が視察した試合(16日の山形-鳥栖戦)で得点したり、初練習が母校だったり『持ってる』気配がある。アタッカーの素質を磨いてあげたい」と期待を寄せる。鎌田も「年齢は関係ないし結果を残すだけ。リオを見据えてやりたい」と意欲十分。来年1月の最終予選へ、最年少19歳が突き上げていく。【木下淳】

 ◆鎌田大地(かまだ・だいち)1996年(平8)8月5日、愛媛県伊予市生まれ。地元のキッズFCでサッカーを始め、中学は祖父母を頼って大阪へ。G大阪ジュニアユースでプレー。東山高に進み、全国高校選手権には出場できなかったが、3年時に高円宮杯プレミアリーグWESTで10得点。鳥栖でJ1通算14試合3得点。利き足右。180センチ、72キロ。血液型B。