日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)が、代表メンバーを漏らしちゃった…。26日は京都市内で、U-22(22歳以下)日本代表とJ2京都の練習試合を視察。今日27日に予定されている9月のW杯アジア2次予選メンバー発表を前に、湘南DF遠藤航(22)の名前を出して「A代表に入る資格がある」とポロリ。珍しく“フライング発表”をしてしまった。

 台風一過の青空が広がった京都。U-22代表の視察に訪れたハリルホジッチ監督は冗舌だった。J2京都に1-2で敗れた試合後に約20分間、手倉森監督と話し込んだ。スタジアムを出る際にはタクシーを待機させたまま、報道陣に持論を展開。その途中で今日27日に発表予定のA代表メンバーを漏らした。

 「(U-22の)遠藤と浅野を(東アジア杯の)中国に連れて行きましたけれど、遠藤は良いものを見せてくれた。A代表に入る資格があるし、今度の合宿も入る可能性が高いです」

 欧州組には事前に所属クラブへ招集レターを送付するため、発表前に選手に伝わることはある。だが国内選手を代表発表前に名指しするのは異例のこと。遠藤は最下位に終わった今月初旬の東アジア杯で全3試合に先発。U-22代表としては今合宿の参加を免除されていた。伸び盛りの若手ではあるが、A代表に定着していない。一方でFW浅野については「クラブで先発を勝ち取っていない。A代表に入る資格を示す必要がある」と“落選”を示唆した。

 ハリル節全開だった。「(U-22の)ほとんどがJで試合に出ていない。若い選手こそ試合に出る必要がある」と指摘し、手倉森監督に「成長のスピードを速めないといけない。(最終予選は)来年1月。この世代の成長が遅いと世界に追いつけない」と真剣に伝えた。さらに前日25日に視察したACLで、柏が1-3で広州恒大に完敗したことにも言及した。

 「日本は多くの疑問を抱かないといけない。日本の国内リーグは、何かをしないといけない。これは代表監督としての意見。他の(クラブ)監督も、そういう視点で見てほしい」

 熱い日本改革論。興奮して話に夢中になりすぎたのか-。思わず代表メンバーまで漏らす“オチ”を付けた。【益子浩一】

 ◆遠藤航(えんどう・わたる)1993年(平5)2月9日、横浜市生まれ。南戸塚中から湘南ユース。高校3年時の10年に2種登録でプロデビュー。同年12月の新潟戦で初得点。11年トップ昇格。16歳から世代別代表で、10年のU-19アジア選手権に飛び級の17歳で出場。12年の同大会にも連続出場した。J1通算47試合8得点、J2通算104試合15得点。国際Aマッチ通算3試合。家族は夫人と1男1女。利き足は右。178センチ、75キロ。血液型O。