悲願のパラリンピック初出場へ、世界ランク9位の日本代表は試練のスタートとなった。開始から同5位で今大会最強の中国の猛攻を組織的な守備でしのいだが、後半7分にCKから失点し、0-1で敗れた。16年リオデジャネイロ・パラリンピック大会出場権を得る2位以内確保へ、今日3日のイラン戦で仕切り直す。

 「総力戦」で勝ち点を取りにいったが力の差が出た。日本は、一瞬の隙をつかれた。後半7分。CKからDFが崩され、ワンが先制点を入れた。MF黒田は「中国の戦術にやられた。あの一瞬が本当に悔しいです」と唇をかんだ。前半から中国ペースだった。個人技と高速のドリブル突破により、魚住稿監督が「世界で最も美しい」と自負する1-2-1のダイヤモンドフォーメーションが崩れた。GK佐藤が好セーブを連発し、前半は0-0で折り返した。ただ失点以降、課題とする攻撃ラインを1~2メートル上げてMFも積極的に攻撃参加する「波状攻撃」がうまく機能しなかった。魚住監督は「失点はアンラッキーだった。気持ちを切り替えて、明日の試合に臨みます」と前を向いた。

 ◆競技メモ 1チームは視覚障害者4人と、視覚障害のないGKの計5人。加えてゴール裏でシュート方向などを指示するガイド(コーラー)がいる。フットサルとほぼ同じ大きさのコートで鈴の入ったボールを使ってプレーする。4人のフィールドプレーヤーはアイマスクを着用。04年アテネ大会からパラリンピック正式種目。国内競技人口は約400人。

 ◆リオデジャネイロ大会出場条件 出場枠は8カ国。アジアは2枠でアジア選手権の上位2カ国が出場権を獲得する。同選手権は1回戦総当たり(25分ハーフ)のリーグ戦を行い、勝ち点(勝ち3、分け1、負け0)の上位2カ国に出場権が与えられ、7日に決勝戦が行われる。