日本代表FW岡崎慎司(29=レスター)が、絶対的エースとして存在意義を懸けて戦う。今日3日、W杯アジア2次予選カンボジア戦(埼玉)に1トップで先発。6月のシンガポール戦では無得点に終わり、責任を重く受け止めた。同じ失敗を繰り返さないため、自分自身に得点を義務づけた。

 自分の1点が必要だと分かっていた。岡崎は、表情を変えずに覚悟を示した。「点を取れなかったら100%自分が悪い。点を取らなきゃ(自分は)いらない存在だと思うぐらいでやっている」。日本代表の1トップを背負う責任を強く感じていた。

 0-0に終わった6月のシンガポール戦が傷になっている。シュート3本で、無得点。「忘れて切り替えることはできない。打ち勝たなきゃいけない」。今夏、高みを求めてレスターに移籍した。リーグ先発2試合目で初得点を挙げ、重圧をはね返した。「勝ち抜く精神力を鍛えなきゃいけない。そのために重要なのは自分や、W杯を経験している選手」。壁を乗り越えるだけの自信を取り戻した。

 W杯へは過去2大会、自らのゴールで導いてきた。W杯予選で通算9得点を挙げ、2桁に王手をかけている。偉大な先輩FWカズや高木琢也に次いで、史上3番目で節目を迎える。

 「ゴールを決める役割がある。細かい動き直しの連続をして(相手DFとの)駆け引きで勝負する」。シンプルに自分らしい泥臭いプレーを追い求める。岡崎がエースとして力を発揮する時が来た。【小杉舞】