MF香川真司(26=ドルトムント)が試合を決めた。1-0の後半25分、ショートCKからのパスを左サイドで受けると、勝負を仕掛ける。相手のスライディングにもバランスを崩さず左にかわし、正面に入ってきた相手の股を抜くラストパス。ニアサイドに駆け込んだ岡崎の足元に合わせ、勝利を決定づける2点目を演出した。得点を見届けると、右拳を握りガッツポーズ。満面の笑みで岡崎と抱き合った。

 負ければ自力の1位通過が消滅する一戦。序盤は試合の組み立てに重きを置いていたが「いつゴール前に入っていくのか、スピードアップすべきか」と勝負どころをうかがっていた。国際Aマッチ初の3戦連発こそならなかったが「チームが勝つ上で、自分のプレーをしっかりやって結果が出せるよう、集中したい」。そう話していた通りの絶好アシストで首位に導いた。

 合流直前の4日、ドイツでBミュンヘンとの対決に1-5で惨敗した。「あらためて個人の力の差を感じたし、上には上がいる。このままではいけない…」。覚えた危機感を原動力に、ここまで無失点だったシリアを切り裂いた。目指す場所を考えれば、2次予選では負けていられなかった。