横浜FW富樫敬真(けいまん、22)が夢のリオデジャネイロ五輪出場へ、また1歩前進した。日本協会は13日、リオ五輪に出場するU-23(23歳以下)日本代表のフランス・トゥーロン国際のメンバー20人を発表。11日の国際親善試合ガーナ戦(ベアスタ)で手倉森ジャパンでの公式戦デビューを果たし、見事なゴールを決めた新鋭FWが生き残った。チーム本隊は16日に日本をたつ。

 1年前はプロ入りさえはっきりしなかった富樫にリオが見えてきた。逆転の五輪代表入りへ重要なトゥーロン国際のメンバー入り。朗報を伝え聞き、表情を引き締めた。「自分はシンプルに結果を出し続けなきゃいけない立場」と語気を強めた。

 昨年の今ごろは関東リーグ2部の関東学院大にいた。「J3で給料が出なくてもどんな状況でもいいから」とプロ入りを目指し、就職活動はしなかったが、オファーはなかった。運を引き寄せたのは昨年8月。同大と業務提携している横浜の練習に数合わせで参加。モンバエルツ監督の目に留まり、特別指定選手になった。9月19日の東京戦で途中出場。そこでゴールを決めて一発合格。プロの道をワンチャンスで切り開き、今季正式加入した。今季はリーグ戦、ナビスコ杯含め公式戦8試合3得点。順調にステップを踏んでいる。

 代表として参加する初めての国際大会。「欧州のレベルの高い選手が集まっているので、どれだけ出来るか楽しみ」。その勝負強さでリオへのサクセスストーリーを完結させる。【青木沙耶香】