サッカー日本代表は30日、キリン杯の2試合に向けた合宿を愛知・豊田市で開始し、初選出された磐田MF小林祐希(24)が初日から持ち前の“ギラギラ感”を発揮した。さっそく宿舎でバヒド・ハリルホジッチ監督の元を訪れ、燃えたぎる熱い思いをアピール。さらにFW本田圭佑が務めるFKのキッカーについて「直訴する」と名乗りを上げた。初戦のブルガリア戦(6月3日・豊田ス)に向け、ハリルジャパンに新たなカンフル剤が注入された。

 小林祐が衝撃的な“代表デビュー”を果たした。午前中に到着した宿舎で、さっそくハリルホジッチ監督に熱い思いをぶつけた。

 「日本のためにできることは、すべてやる。成長して、日本のためになりたい。だから高い要求をしてください」

 初選出された日から「自分の意見を伝えにいく。主張する選手じゃないと、代表には残れない」と代表定着のために先手を打つ計画を考えていた。合流初日、初招集した選手からの思いがけない直訴に、監督からは「その志はいいことだ」と歓迎された。

 指揮官の熱さも、肌で感じた。練習冒頭、ピッチの真ん中で選手とスタッフを集め、約15分間のミーティングを行った。身ぶり手ぶり、必死の形相で選手に訴えかける監督の話を最前列で聞いた。「熱がすごかった。(自分は)それを上回るくらいの熱で、勝ちたい気持ちやサッカーへの思いを出したい」。お互いの熱い思いを確認し、冷静だった前日までとは打って変わった。「高ぶってます。思っていたのと全然違う。楽しみ」と興奮気味に話した。

 FKキッカーにも名乗りを上げた。主に本田が務めているが、小林祐も強烈な左足を持ち味とする。「自分より技術的にうまい選手はいる。でも蹴った選手しか、FKは決められない。蹴ることが大事。直訴します」。今日から始まる本格的な練習でアピールする。

 スタンドには、駆けつけた磐田サポーターが掲げた「YUKI」と日の丸がはためいた。「25人の中で、能力は俺が一番下。でも大舞台で能力を出すのは、自己主張の強い、ギラついている選手。そういう性格なので、出していく」。遠慮せず、自分のすべてをぶつける覚悟だ。【保坂恭子】