リオデジャネイロ五輪に出場する日本代表に東京DF室屋成(22)が選出され、世界へ挑戦する。2月に左足ジョーンズ(第5中足骨基部疲労)骨折してから復活を遂げた。「五輪に間に合わない不安はあった。でも五輪という目標があったから4カ月のリハビリを頑張れた。まずはメンバーに選ばれたことがうれしい。リハビリをした意味があったと、本大会で結果を残して証明したい」と力を込めた。

 負傷直後、ドクターからは「五輪には間に合う」と言われていた。順調に回復し、6月29日には同代表の国内最後の試合となるU-23南アフリカ戦に先発した。

 「もっと動けないかと思ったけど、復帰してから思っているよりもコンディションが上がっていった。トレーナー、スタッフの方々のおかげです」と感謝した。

 今季から明大サッカー部を退部し、現役大学生ながらプロ入りした。その直後のアクシデントにも負けず、世界への挑戦権を得た。

 五輪本番直前には、開催国で初の金メダルを狙うブラジルと試合が組まれた。年齢制限のないオーバーエージ枠にはバルセロナFWネイマールにBミュンヘンMFドウグラスコスタの、世界トップが名を連ねる。DFとして、マッチアップのシーンも予想される中で、うれしそうに言った。

 「ネイマールだけじゃなくて、ドウグラスコスタまで入ってびっくりした。でも自分にとってはチャンス。僕は特に失うモノはないし、ここで止めることができたら、ホンマに自分の自信持つことできる。周りの目も変わってくる。五輪はそういうチャンスがゴロゴロ転がっている大会だと思う。そういうチャンスをものにする気持ちを持ってやっていきたい」

 五輪を前に、東京では前回ロンドン大会で10番を背負ったMF東慶悟から話を聞いているという。「東選手からは『勢いに乗ったら絶対に行ける』と言われた。前回は初戦でスペインに勝って4強までいった。僕らも強豪国がそろうグループに入ったので、勝って勢いに乗っていきたい」と、メダル獲得を見据えた。