日本代表のMF山口蛍(25=J2C大阪)が、ハリルホジッチ監督から熱血マンツーマン特訓を受けた。UAE戦に向け28日、埼玉県内で合宿を開始。選手は約30分の走り込みだけで室内へ引き揚げたが、山口1人がピッチに残された。同監督の指示で、ステップを踏んでからのシュート練習などのサーキットメニューを消化。たった1人で、1時間も愛の“しごき”を受けた。

 「本当は今日(C大阪で)試合があるんですけど、僕は出ていない。自分のやるべきことを精いっぱいやるだけ」。ほとんどの選手が前日27日に公式戦に出場。だが山口はこの日、所属のC大阪が天皇杯で格下の高松(四国リーグ)との対戦だったため、出場を免除された。状態を維持するためのハリル流の特別レッスンだった。

 今夏にドイツ2部ハノーバーから、半年でC大阪に復帰した。その際、ハリル監督から「ドイツで成長するはずの選手だったが、今の状況ではA代表の先発になるのは難しい」と突き放された。そのため、山口自身は今合宿に招集されたことについても「驚きというか、いまだに何で? というか…」と戸惑うほどだ。

 熱血特訓も期待の表れだ。ボランチは不動の長谷部、急成長中の大島らとの争い。「代表に来たらいろんな刺激がある。それをプラスにする」。輝きが薄れつつあった蛍が、再び光を放つ時がきた。【益子浩一】