冷たい雨が滴る中、ハリルジャパン“控え組”の気持ちはどんどん熱くなっていた。日本代表MF清武弘嗣(26=セビリア)とFW原口元気(25=ヘルタ)が30日、大トリとして羽田空港に帰国し、関東近郊での代表合宿に合流した。W杯アジア最終予選のUAE(9月1日、埼玉)とタイ(同6日、バンコク)の2試合で、FW本田やMF香川らの主力を押しのけ、定位置奪取への覚悟を示した。

 2人とも欧州で確かな地位を築きつつある。一方で日本代表の定位置はなく、清武は「ピッチに立って試合に出たい」と主張した。昨季まで所属したハノーバーがドイツ2部に降格。今季から欧州リーグ3連覇中のスペインの強豪に戦いの場を移したのも、本田や香川の高い壁を越えるためだ。開幕戦では1得点1アシストで「調子がいい流れを持ってきたい」と語った。

 28日のフライブルク戦で2得点に絡み、独誌キッカーの最優秀選手に選出された原口も思いは同じ。「ポジションを奪っていきたい。結果を出すしかポジションを奪っていく道はない」と力を込めた。

 思いは行動にあふれ出ていた。帰国後の合流初日は軽いメニューで終わらせるのが通例だが、2人ともいきなり試合形式などのフルメニューに参加。清武は「準備期間はすごく少ないですけど、早くいいコンディションに戻したい」。前節終了後、即会場を後にした原口も「思ったよりしんどくなかった。コンディションを整えることが大事」と戦闘モードを全開にした。もう脇役とはおさらばだ。【上田悠太】