FW久保建英(たけふさ、15=東京U-18)が、5得点に絡む活躍で日本を白星発進へと導いた。今大会初戦のベトナム戦で先発し、前半16分に先制直接FK弾を含む2得点1アシストをマーク。さらに攻撃の中心選手の1人としてタクトを振り、7-0の圧勝に貢献した。この日、所属する東京でトップ登録が完了。中学生ながらプロカテゴリーへ挑戦する異次元の実力を発揮した。日本は明日19日にキルギスと対戦する。

 桁違いの実力が、インドで解き放たれた。久保のゴールで、日本の圧勝劇が幕を開けた。前半16分、自ら得た直接FK。左足で丁寧に右上へ蹴り込んで先制した。緊張感漂う立ち上がり。その雰囲気を振り払う1発で、格下ベトナムの戦意を喪失させた。4点リードの後半19分には、個人技が光った。ペナルティーエリア内左でボールを受けると縦へのドリブルで2人かわし、飛び出していた相手GKを見極め、ニアサイドへ決めた。

 先制点では左手を突き上げるガッツポーズも、大量リードした自身2点目では冷静だった。「序盤から緊張感をもって試合に入れた。先制点を取ってからはリラックスしてみんな声を出し合いながらプレーできたと思います」。荒れた芝生は想定を上回り苦戦した。それでも地に足をつけ、確かな技術で日本の攻撃のタクトを振った。

 同34分には再びFKから、今度はDF監物の頭に合わせるアシストをマークした。同40分にはMF平川の縦パスを右足でスルー。相手を揺さぶり、前向きで走りだしていたFW山田に託した。後半6分のMF福岡のゴールも久保の右CKから生まれた。7点中5点に絡む異次元のプレーだった。

 東京でトップ登録が決まり注目が集まる中でこの活躍。それでも久保は言う。「結果は大差での勝利でしたが、これに満足せずに、今日の試合での問題点を修正し、もっと丁寧にプレーしていきたい」。コメントだけでなく、プレーまでも15歳とは思えぬ落ち着きぶりだった。

 ◆16年U-16アジア選手権 準々決勝に勝利した上位4チームが来年8~9月にインドで開催されるU-17W杯の出場権を獲得。開催国のインドは出場権を得ているため、インドが準決勝に進出した場合は、準々決勝で敗れた4チームによる5位決定戦が行われる。1次リーグは16チームが4チームずつ4組に分かれ、各組上位2チームの計8チームが決勝トーナメントに進出。1次リーグの順位決定方法は<1>勝ち点<2>当該チーム間の対戦成績<3>得失点差<4>総得点<5>PK戦<6>反則ポイント<7>抽選の順。日本はU-17W杯に過去7度出場。最高成績は93、11年大会の8強。前回の15年大会は出場を逃している。