ハリルジャパンに暗雲が垂れ込めてきた。マインツFW武藤嘉紀(24)が、右膝を負傷し日本代表を辞退することが9月30日、分かった。29日の1次リーグ第2戦カバラ(アゼルバイジャン)戦に先発し、前半41分に欧州リーグ初ゴールを決めたが、終盤に負傷交代。戻ったドイツで精密検査を受け、全治1カ月と診断された模様。W杯ロシア大会アジア最終予選イラク戦(6日)オーストラリア戦(11日)の参加を取りやめる。

 勝利まで残り10分を切ったところで、武藤に悲劇が起こった。右クロスに飛び込むと、後方からカバラDFが覆いかぶさり倒れ込んだ。下敷きのようになった武藤は右膝をひねり、直後に負傷交代。マインツ関係者によると、精密検査の結果、右膝靱帯(じんたい)の損傷で約1カ月の離脱だという。昨季2月に痛めた箇所を再発し、11月中の復帰を模索することになりそうだ。代表辞退を余儀なくされ、W杯アジア最終予選イラク戦、オーストラリア戦を控えた日本にとっては悲報となった。

 前半41分に欧州初ゴールを決めていた。スルーパスを受け、相手が間合いを取ると思い切りよく振り抜いた左足シュートが先制点。アウェーの地で貴重な勝ち点3に貢献していた。しかも直近の公式戦は5戦3発。好調を維持し、出場時間が少ない海外組の中で、先発を勝ち取った。試合勘も得点感覚もある状態で代表合流という青写真を描いていたハリルホジッチ監督の思惑は、1日にして崩れた。

 追加招集には、横浜FW斎藤が浮上。前日の発表会見で同監督は何度も名前を挙げて評価していた。実際、今日1日の浦和-G大阪を視察予定だった手倉森コーチが、横浜戦に急きょ変更。状態を見極めることになりそうだ。