世界への扉をこじ開けた。U-19日本代表が4-0でタジキスタンに完勝。4強入りを決め、5大会ぶりとなるU-20(20歳以下)W杯(来年5月、韓国)の出場権を手にした。エースのFW小川航基(19=磐田)が先制点を含む2ゴールを挙げ、MF堂安律(18=G大阪)、FW岩崎悠人(18=京都橘高)も加点した。過去4大会は準々決勝で涙をのんでいたが、東京五輪世代が鬼門を突破した。27日の準決勝はベトナムと対戦する。

 東京五輪世代が世界への挑戦権を得た。5大会ぶりにU-20W杯の切符を獲得した。過去4大会連続で敗れていた準々決勝。後半ロスタイム3分が過ぎると、10年ぶりに4強進出を決めるホイッスルが響き渡った。選手やスタッフからは喜びの笑顔があふれた。内山監督は「選手がいろんなプレッシャーの中、意図してたものを出してくれた。チャレンジャーとして、新しい歴史を作りたかった」と話した。相手は力の劣るタジキスタンで、組み合わせにも恵まれた面もあったが8強の壁を破った。

 役者3人がしっかり仕事を成し遂げた。エースの小川が前半8分の先制点を含む2得点。英紙「ガーディアン」による「次世代を担う有望な世界の若手50人」に日本人で唯一選ばれた堂安も前半19分、弧を描いた左足シュートでチーム2点目をもたらした。3-0の後半43分には、高校NO・1ストライカー岩崎が左足で4点目を奪い、ダメを押した。守備陣も4試合連続無失点だった。

 U-20W杯の切符獲得は最低限のノルマだった。国中の注目が集まる東京五輪の中核を担う世代。この世代の国際舞台での経験は、五輪での成績に直結する。1次リーグで敗退したリオデジャネイロ五輪を指揮した手倉森監督も、敗因に国際舞台での経験の乏しさを挙げていた。U-20W杯は原則23歳以下で争う五輪に最も近い年代での世界大会。だからこそ、日本協会も今年に入ってから、基本的に月2回の活動期間を設け、手厚いサポートをしていた。その思いが結実した。

 絶対に強くなければならない東京世代。小川は「ここまで来たら優勝するべき。必ず優勝します」と頂点を見据えた。世界でもまれ、もっとたくましくなる。

 ◆17年U-20W杯韓国大会 来年5月20日に開幕し、6月11日に決勝が行われる予定。韓国の水原、全州、済州、仁川、大田、天安の6都市が会場となる。開催国の韓国と大陸別予選を勝ち抜いた23カ国の計24チームが参加する。