日本女子代表なでしこジャパンの国内合宿が22日、3日目を迎え、埼玉県内で戦術トレーニングが行われた。

 初招集の最年少19歳、DF市瀬菜々(いちせ・なな=仙台)が8対8のミニゲームに参加。クラブでは入団1年目から定位置を確保している160センチのセンターバックだが、代表ではまず右サイドバックで試された。高倉麻子監督(48)から味方がボールを持った時の位置取りなどを指導され「経験ととらえていますし、いろんなポジションでプレーできるようになりたい」と初々しさを見せた。

 宮城・常盤木学園高時代の14年にU-17(17歳以下)女子W杯コスタリカ大会で優勝し、昨年のU-20女子W杯パプアニューギニア大会では3位。今回は初のA代表と順調にステップアップしている。普段は仙台市内のホームセンターに勤務。午前9時から休憩を挟んでレジ打ちや品出しを担当し「4時間、立ちっぱなしの生活にも慣れてきました」と社会人1年目に適応している最中に、なでしこ初選出の知らせが入った。

 A代表では「まだまだフィジカルが足りない」と痛感。午前中に都内施設で行われた非公開の筋力トレーニングでは「正しいフォームの腕立て伏せを教えてもらいました。きつかったです」と5回6セットでも苦労した。今まで体幹を鍛えるメニューしか本格的な筋トレをしたことがないといい「大事だと思いました。(仙台に)戻っても続けたい」と何事も新鮮だった。

 この日のミニゲームも代表では初の実戦形式練習。「長所である予測、ポジショニングができていなかった」と強みの部分で反省した。あらゆる面で課題を感じているが、次世代の日本を背負う守備的選手として抜てきされた19歳。19年W杯フランス大会、20年東京五輪を見据えた世代交代のため、同学年のDF北川ひかる(19=浦和)とともに英才教育を施されている。