日本協会は20日、右膝手術の可能性が浮上していた日本代表MF長谷部誠(33=フランクフルト)が、W杯ロシア大会アジア最終予選でUAE遠征中のチームから離脱すると発表した。

 同日、UAEのアルアインでの練習前にハリルホジッチ監督が円陣でチームに伝えた。夕暮れ迫る中東の地での円陣でのミーティングは17分も続いた。うち3分ほどは、長谷部が仲間に思いを託すスピーチだったという。

 11日のBミュンヘン戦で痛めた右膝について、バヒド・ハリルホジッチ監督(64)やメディカルスタッフに報告するため、19日(日本時間20日)にドイツから代表宿舎へ到着。自力で歩きながら「話し合うために来た」と説明していたが、その後の診察の結果、23日UAE戦の強行出場は断念し、治療を最優先する方針を固めた。

 この負傷に関しては、フランクフルトが16日のMRI検査の結果を受けて18日に「手術を受ける」「無期限離脱」と発表。地元メディアも「一時帰国し、内視鏡手術を受ける」と追随していた。この日は、ドイツ紙ビルトも「ハセベは21日に日本へ出発し、手術を受けることになるだろう」と報道。患部は「半月板」と推測し、重傷の場合は今季のブンデスリーガ復帰は絶望と伝えていた。代表にとっても、昨年9月に敗れたUAEとの再戦を主将不在で迎えることが決まった。

 長谷部はW杯最終予選に初出場した08年以降、出場停止だった3試合を除く、すべての最終予選に出場してきた。その3試合も、すべて本大会出場決定後の消化試合。離脱によって、初めて「長谷部抜きの真剣勝負の最終予選」をチームは強いられることになった。