3月のサッカーW杯アジア最終予選2試合で、日本代表の主将を務めたDF吉田麻也(28)が、熱く語った。約2週間の日本代表の活動を終えて英国に戻り、30日に所属のサウサンプトンに合流した。MF長谷部の負傷離脱によって急きょ任された主将の重みや、出番が減りつつあるFW本田の逆襲などについて、日刊スポーツの取材に応えた。

 吉田にも、少し予感があった。主将に指名されても冷静だった。4強入りした12年ロンドン五輪日本代表、名古屋グランパスユースでも大役を務めた。ただ、試合で左腕に巻いた赤い腕章は重かった。日本の最高峰、A代表の重責はまったく別物。「プレッシャーは大きかったです。簡単に言うと、監督の次に責任を取らないといけないポジション。キャプテンは1人だけですから」。指名を受け、右膝のけがで離脱した長谷部に「やらしていただきます」とメールで報告。筋を通した。返答は「『お前なら大丈夫。頑張れ』でした」。短い文面に少し拍子抜けしたが、信頼を感じ奮い立った。

 今回はその長谷部が抜け、所属クラブで出番のない本田も先発から外れた。代役の久保が一気にブレーク。ハリルホジッチ監督の起用について「試合に出ていない人が出ず、出ている人が出る。自然な流れだと思います」。吉田も今季前半はサウサンプトンで出番がなくベンチ暮らしが続いた。そこからはい上がって定位置を奪い取り、3月の日本代表の2試合は安定したプレーで存在感を示した。この経験も含め、名古屋ユース時代からずっと見ている本田の逆襲があるとみる。