日本国籍取得を相談し、親身になってくれた前ビーチ日本代表監督のラモス氏を慕う。「日本のお父さんです。弟といってもらっているので、お父さんなんて言ったら『そんな年じゃないヨ』と怒られるかもしれないけど。優しくしてくれて、今も連絡をくれます。同じくらいの年で日本に来て、日本人になって日本代表になった。僕のかがみのような存在」。漢字と片仮名の日本名もラモス氏にならい背番号も「ラモスさんの10番がほしい」と直訴し背負う。脳梗塞から復活した「お父さん」に、いいニュースを届け恩返ししたい。

 日本サッカーも背負って戦う。「日の丸をつけているので、優勝したら(全カテゴリーが)みんなひとつになって喜べる。W杯で優勝すれば、それは日本人全員の優勝です」。ラモス氏が「砂のサムライ」と呼んで信頼した茂怜羅オズ。ビーチの上で魔法使いのようなプレーをみせる10番が、14年ブラジルW杯以降、日本サッカー界では聞かれなくなった「W杯優勝」を本気で目指す。【八反誠】

 ◆茂怜羅(もれいら)オズ 1986年1月21日、ブラジル生まれ。リオデジャネイロのコパカバーナで生まれ育ち、6歳でビーチサッカーを始める。16歳でプロになり、21歳で来日し日本でプレー。12年に日本国籍を取得し、ラモス監督(当時)が率いるビーチ日本代表入り。W杯は13年タヒチ、15年ポルトガルの両大会で8強。13年には大会のシルバーボール賞(優秀選手)を受賞。ここ3年は、ビーチの国際統括団体が発表する年間ベスト5にも選出。国際Aマッチ64試合73得点。東京V所属で、同クラブの監督でもある。好きな選手は長友佑都で「会って話してみたい」という。190センチ、86キロ。独身。