なでしこジャパン高倉麻子監督(48)が、国内初戦戦を白星で飾った。昨年4月に就任した高倉監督率いる日本代表(FIFAランク6位)が、コスタリカ代表(同30位)を3-0で下した。前半23分、新エースのFW横山久美(23)が左足ミドルで先制。後半はMF長谷川唯、FW上野真実(ともに20)と、世代別代表でも指導を受けてきた、高倉サッカーの申し子が立て続けにアシストを決めて2点を追加した。同監督就任後の通算成績は3勝1分け4敗。

 新生なでしこジャパンの国内初戦を、最初にわかせたのは新エースだった。前半23分、中央でボールを受けたFW横山は、体を反転させて左足を振り抜き先制ゴール。新体制となって以降、最多の6点目。高倉監督も「ゴール前のシュート力は非凡」と評するストライカーはゴール後、右手を高々と挙げ存在感を示した。

 後半に入るとU-20日本代表など高倉監督を世代別代表監督時代から知る面々が躍動した。長谷川はFW田中が決めた2点目を絶妙アシスト。3点目は今回が日本代表初選出で地元熊本出身の上野が演出し、同じ20歳のFW籾木がゴール。今回のメンバー22人の平均は23・2歳。リオ五輪アジア最終予選時よりも約4歳も若返った。長谷川は「監督のサッカーは一言で言えば攻撃的。考えは理解しているつもり」と話す。高倉サッカーの申し子たちが、チームを活性化させている。

 この日は「熊本地震復興支援マッチ」として開催。東日本大震災後の11年W杯優勝で、被災者に勇気を与えた。高倉監督は「今回のメンバープラスアルファが、20年東京五輪までの中心」と話した。再び被災地に、そして日本中に活力を与えるべく、なでしこジャパンは成長し続ける。【高田文太】