日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(64)が12日、同MF香川が所属するドルトムントのチームバスが爆発に巻き込まれた事件に、心を痛めた。アジア・チャンピオンズリーグの川崎フロンターレ-広州恒大(等々力)を視察後、取材に応じ「本当にひどい出来事だ。世界がおかしくなったとしか思えない。なぜ彼ら選手に攻撃が加えられたのか…」と険しい表情で語った。

 同監督は旧ユーゴスラビア出身。ボスニアでの紛争を経験し、財産と家も失ったとされ、すべてを奪いかねない一方的な暴力について忘れられない記憶を刻んで生きている。日本代表監督就任後も15年11月には家族の住むパリで起きたテロ事件に心を痛めている。日本代表の主力である香川を気に掛け「シンジとは連絡を取った。大丈夫だということだった」と無事を確認。ただ、同僚選手がけがを負っているだけに、香川が無事だったとはいえ、素直にひと安心とはいかないようで表情はさえなかった。

 愛するサッカー界を襲った信じ難い出来事にショックを受けた。表情を曇らせたまま最後に「ひどいことだ…」ともう1度つぶやき、会場を後にした。【八反誠】