サッカーU-20(20歳以下)W杯韓国大会(20日開幕)に出場する日本代表に飛び級で選出されたバルセロナ下部組織出身のFW久保建英(15=東京ユース)が、大舞台での躍進を誓った。11日、静岡県内で最後の国内合宿がスタート。開幕を目前にし、高ぶる闘争心をのぞかせた。初戦までの残り10日間で攻撃の核になるべく準備を整える。

 約1時間の練習を終えた久保の顔つきには充実感があふれていた。10日にルヴァン杯で自身2度目のJ1でプレーしたばかり。少し疲労は残っているとしつつも「体の調子はいい」と話す口調は力強かった。17日に合宿から直接、戦いの舞台となる韓国入りする。特別に持ってきたものがあるか聞かれると、少し考えて「気持ちですかね」と答えた。続けて「特に何も持ってきてないです」と冗談めかしたが、この大会にかける思いがにじんだ。

 南アフリカとの初戦まで10日を切った。「勝てば、(1次リーグ)突破が現実的になる」とこの試合の重要性を分かっている。アフリカ勢とは対戦の経験はほとんどないが、動じることもない。視線をそらさずに「ヨーロッパとかアフリカとか関係なく、相手を見てしっかりやれればいいと思う」。この日、国際サッカー連盟(FIFA)が大会登録メンバーを発表。久保は全選手の中で2番目の年少だった。ただ、試合になれば年齢は関係ない。本番が近づき、普段は見せない闘争心があふれた。

 合宿初日は7対7のミニゲームでMF堂安が決めた唯一のゴールをアシストした。左足裏ワンタッチで背後へ送る華麗なパス。「精神面では引っ張ってもらう立場だけど、呼ばれたのは何か役割があるからだと思う。ドリブル、パス、シュート。持っているものをすべて出したい」。初合流からわずか約半年で、確実にチームの武器になっている。

 10日のルヴァン杯後には東京の先輩たちから「優勝してこいよ」と背中を押されたという。続けて何か言いかけてから少し考え「いい報告ができるように」と言葉を選んだ。胸にとどめた目標は、目に見える結果で示す。【岡崎悠利】