飛び級で選出された15歳のFW久保建英(たけふさ、FC東京ユース)が切れのあるプレーを連発した。後半17分から出場し、直後に味方とのパス交換で左を崩し、MF板倉の決勝点につながるCKを獲得。27分にはドリブルで2人をかわしてのスルーパスでゴールに迫った。続けて行われた30分の練習試合も好機をつくり、27分にはGKとの1対1を外して両手でピッチをたたいて悔しがったが、スタンドを何度も沸かせた。

 海外勢を相手に体格差も問題ないことも証明した。170センチの久保に対し、ホンジュラスDF陣の平均身長は181・8センチ。競り合いで倒されたのは1度だけ。体格差を「わざわざ感じなくてもいい」と速い判断で接触プレーに持ち込ませず、無得点でも「いいシミュレーションになった」と言い切った。

 内山監督は先発したFW小川とFW岩崎の2トップが「ベースになる」としつつ、「久保はバイタルエリアや中央で預ければ自分でもいけるしパスもできる」と評価。1次リーグ初戦、21日の南アフリカ戦では流れを変える「ジョーカー」の役割を託すことになりそうだ。昨年12月の初選出からまだ半年の15歳が、日本の切り札となる。【岡崎悠利】