【水原(韓国)20日】サッカーU-20(20歳以下)W杯韓国大会に出場する日本代表が今日21日、南アフリカと1次リーグ初戦(水原)を迎える。飛び級で選出されているFW久保建英(15=東京ユース)は途中出場が濃厚。アフリカ勢との対戦経験を生かし、持ち味のドリブルで守備を切り裂くジョーカーになる。この日は試合会場のピッチを歩いて状態を確認し、約1時間半の調整を行った。

 変わらず落ち着いていた。久保はDF杉岡らと時折笑顔を見せながら、会場近くでの練習で汗を流した。実戦形式の2本目ではエースFW小川と2トップを構成。最後の直接FKの練習では6本中2本を連続で決めた。高揚感を聞かれ「あんまりないです。グラウンドの中じゃないと」と淡々とした顔つきで答えた。決戦のピッチに立って初めてスイッチがオンになる。

 アフリカ勢は経験済みだ。昨年6月にU-16日本代表として同マリ代表と対戦し、前半38分に相手DF3人をかわし、そのままアシストを決めた。「フリーで受けたらあまり取られなかった。若干下がってでも(パスを)もらえたら有効かなと思う」。武器のドリブルで、活路を見いだすイメージは整っている。

 日本で唯一のバルセロナ入団テスト合格者。それも1週間の予定が1日で内定を受けた。わずか10歳での入団はメッシより早い。今回は飛び級でのU-20W杯出場ということもあり、注目度は高い。そんな周囲をよそに久保の目に映るのは目の前の試合だけだ。「注目されているということはそれだけの結果を残さないとがっかりされてしまう。一番大事な試合なのでしっかり勝ち点3をとりたい」。15歳は冷静に現状を捉え重圧と正面から向き合った。

 南アフリカ戦は途中出場が濃厚で「負担が少ないということなので。いつ出てもプレーできるようにする」ときっぱり。まずは1次リーグ突破、そして99年大会の準優勝を超える成績を目指し、久保の挑戦が幕を開ける。【岡崎悠利】