日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が、オーストラリア戦(31日、埼玉)に引き分け以下で、解任される可能性があることが22日、分かった。日本は現在、18年W杯ロシア大会アジア最終予選を2試合残して5勝2分け1敗の勝ち点17で首位だが、オーストラリア戦の結果次第では自動出場圏外の3位に転落する。最終戦のサウジアラビア戦(9月5日、アウェー)を監督代行で乗り切ることも視野に入れている。

 W杯出場に王手のかかった一戦が、監督去就に大きく影響する。昨年9月の最終予選初戦のUAE戦で黒星発進した日本だが、その後勝ち点を重ね、首位に立った。しかし2位サウジ、3位オーストラリアとは勝ち点1差。残る2試合はその上位2チームとの直接対決だ。リスクマネジメントを考える日本協会として、あらゆる可能性を想定している。

 その中で、ある日本協会関係者は「オーストラリア戦に負けた場合、今の体制でサウジとのアウェーに向かうことは考えにくい。引き分けても試合内容によっては監督更迭があるかも」と発言。引き分け以下なら監督解任の大なたを振るう準備がされていると明かした。

 ハリルホジッチ監督のW杯ロードは、初戦の負けから波紋を呼びながら進んできた。昨年10月アウェーのオーストラリア戦は守備的すぎる戦術で勝ちきれなかった。最近では6月のアウェーのイラク戦で、猛暑の中での選手交代のタイミングを疑問視する声がチーム内からも挙がった。結局、安心してみられたのは格下タイとの2試合だけ。就任後2年半がたっても、安定した戦いをみせていない。

 荒療治に踏み切る場合、最も考えられるのは、手倉森誠コーチをサウジ戦で監督代行に立てる方法だ。間近でチームにかかわっているだけに、対応しやすい。本人が固辞した場合は、西野朗技術委員長自らが代行の候補になりそうだ。

 日本協会の田嶋幸三会長はこれまで「監督人選は技術委員会の判断」と話している。ハリルホジッチ監督とは同会長の就任前に契約し、W杯出場に失敗した場合の責任は前体制にもある。しかし、結果が伴わない場合の監督交代の権限は現体制にあり、責任は重い。 勝てば6大会連続出場が決まり、引き分け以下なら最終戦に持ち越される一戦。7月の技術委員会で西野委員長は「オーストラリア戦までは協会挙げて全力でバックアップしよう」と、各委員に伝えている。今日23日に再び開かれる技術委員会の結論も注目される。