【コルカタ(インド)15日=岡崎悠利】U-17(17歳以下)W杯インド大会で日本は17日の決勝トーナメント(T)1回戦でイングランドと対戦する。14日に行われた1次リーグ(L)最終戦でニューカレドニアと1-1で引き分け、E組を2位で突破。次なる相手は欧州予選準優勝で、すでにプレミアリーグデビューしたMFアンヘル・ゴメスらを擁するタレント軍団となった。同世代のワールドクラスとの勝負を望んでいたエースFW久保建英(16=東京ユース)にとって、この上ない舞台となった。

 両国サッカー界の若き才能が激突する。久保は攻撃の核として、細かいタッチでのドリブルにトリッキーなパスも見せて1次L3試合で好機を演出。ホンジュラスとの初戦ではゴールも奪った。「チャンスでしっかり決めることは、厳しい戦いになる中でもっと必要になる」と語った通り、負ければ終わりの決勝Tでエースの真価が問われる。

 イングランドは1次Lを3連勝、11得点2失点で勝ち上がった。中核は名門マンチェスター・ユナイテッドでプレーするゴメスだ。昨季は同U-18で17試合11得点、さらにプレミアリーグ最終戦に16歳9カ月でデビューを果たした。身長は公称161センチ。切れ味鋭いドリブラーで久保とスタイルが重なる。14日は日本がアジア予選で敗れたイラク相手に1ゴール1アシストと力の差を見せつけ「次の相手がどこであれ、この大会で優勝することだけに集中している」と事もなげに語った。

 ゴメスの他にもマンチェスター・シティーのMFフォーデン、ドルトムントで背番号7をつけるMFサンチョら、トップチームに所属する選手がそろう。森山監督は「個の能力は大会NO・1」と警戒した。「W杯という大舞台で結果を残せば『こいつやるんだな』という評価になると思う」と話す久保にとっては待望の同世代対決となる。

 勝ってベスト8に進めば、93年、11年の最高成績に並ぶ。5月のU-20W杯韓国大会は16強で敗退し、久保は「もう2度とこんな悔しい思いはしたくない」と語っていた。14日のニューカレドニア戦は後半27分からの出場で体力を温存し、この日も完全オフで静養に努めた。万全のコンディションでタレント軍団に挑む。

 ◆アンヘル・ゴメス 2000年8月31日生まれ、ロンドン出身。6歳からマンチェスターUの下部組織に入り、各世代別のイングランド代表に選出。5月クリスタルパレス戦に16歳263日でのプレミアリーグ初出場はクラブ史上最年少、リーグでも歴代10位の記録。ポルトガル代表ナニがいとこ。利き足は右。