日本協会は14日、来年のW杯ロシア大会の日本代表の拠点、ベースキャンプ地を中部の大都市カザニに置くことが決まったと発表した。

 東アジアE-1選手権の韓国戦(16日、味スタ)に向けた都内での練習後に西野朗技術委員長が報道陣に説明。「ルビン・カザンのトップチームの施設を使わせていただく」とした。

 日本協会は早くからベースキャンプ地の最上位にリストアップ。8月31日のW杯出場決定のタイミングで、最有力候補地として浮上していた“本命”に決まった。

 1次リーグ3試合の開催都市への移動も問題なく、練習場や宿泊棟も同一施設内にある利便性などもあり決定した。

 本大会前にはオーストリアでの事前キャンプを検討中。日本をたち、欧州経由でカザニ入りすることになる。

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 カザニは首都モスクワの東、約820キロに位置する。人口は約120万人の大都市。W杯の開催都市の1つでもある。日本が1次リーグを戦う3都市の中間点のような立地。

 FIFAによると、来年6月19日の初戦、コロンビア戦の会場サランスクまでは310キロ、飛行機で約40分。セネガルと第2戦を戦うエカテリンブルクまでは720キロ、1時間10分、ポーランドとの最終戦が行われるボルゴグラードまで850キロ、1時間半。ベースキャンプ地から、カザニの空港までも車で42分と移動の負担は少ない。

 日本協会によると、施設は全て同じ敷地内。トレーニングジムやサウナ、プールも完備する宿泊棟から徒歩1分で練習ピッチがある。

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 日本協会は15年秋、本大会までまだ3年近くある中で調査に着手。スタッフを現地に派遣し、早い段階で絞り込み作業を進めてきた。さらに、7月にロシアで開催されたコンフェデ杯を視察した西野技術委員長とハリルホジッチ監督が、2人そろってカザニに滞在し同会場でのメキシコ-ロシア戦を視察。西野委員長が、市内の世界遺産を散策したことも明かすなど、実際に“2トップ”が街の空気を肌で感じ、好感触を得ていた。

 ロシアリーグの強豪ルビンの拠点。09-10年に欧州CL初出場のルビンは、1次リーグであのバルセロナから金星を挙げるなど、大物食いのイメージもある。日本もあやかりたいところ。

 広大なロシアで初のW杯。先手必勝で、ライバルチームとの争いも制し、望み通りの都市に前線基地を置く。しっかりと、まず足元を固めた。