なでしこジャパン(FIFAランキング9位)が、北朝鮮(同11位)相手に力の差を見せつけられる負け方で、3大会ぶり3度目の優勝を逃した。勝った北朝鮮は3連覇を達成した。

 なでしこジャパンは高倉麻子監督(49)が監督就任後、初タイトルを目指したが、強豪北朝鮮の前に完敗を喫した。試合後の高倉監督は「シュートまでいけない中、後半点を取りにいくところでバランスが崩れて失点してしまった」と、失点した場面を攻守のバランスが崩れたと説明。また、今後の課題として「自分のプレーの判断で、ゲームの流れが変わってくる実感ができたと思う。点を取らないと勝てない。攻守ともに成長中ではありますけれども、うまさ、つよさ、速さを突き詰めていかないと中途半端なチームになってしまうので、まだまだ足りないことを受け止めて、みんなで頑張っていきたい」と、力不足を認めた。

 試合は前半は両チームスコアレスも、やや北朝鮮が気迫あるプレーで日本ゴールに迫っていた。後半になると、フクアリに駆けつけた約2000人の大応援団の声援に後押しされ勢いづく。

 なでしこは引き分けでは得失点差で北朝鮮を上回れない。ところが、2トップの1人FW岩渕が相手主将と激しくやり合い、次第に冷静さを欠いていく。高倉監督もあっさりと岩渕をベンチに下げ、北朝鮮にとっては思惑どおりの選手交代となった。その後、、後半20分に得点王のFWキム・ユンミにミドルシュートを決められて先制点を許した。さらに1点を追加され、0-2で敗れた。

 試合後の岩渕は「ボールを回しているだけじゃ意味がない。ゴールに向かっていたか?見直さないと。私はシュートを打っていないので申し訳ない。負けたのが現実」と、淡々と振り返った。