浴びに浴びたシュートは16本。まだ4失点で済んだ-。そう思わされる内容だった。日本の守備がもろくも崩れた。主将のDF昌子は「未熟さをすごく感じた。主将としてもチームとしても、個人としても情けない」と唇をかみしめた。

 開始2分でPKを得て、3分で先制。これでかえって攻める気持ちが弱まった。気持ちも姿勢も守りに入る。反対に韓国は、攻守の切り替えが早かった。「ボールを持って顔を上げたら(FWの)9番から全員、前にいる。あの戦い方は日本を強いチームだと思って挑んできた。ブラジル相手にやるようなサッカー」と昌子。同じ国内組で構成された代表がかくも違う。攻守にわたって数的不利に陥った。焦りがミスを呼び、不用意な反則となり、失点につながった。北朝鮮戦で好セーブを連発したGK中村も、なすすべがなかった。

 初戦を1次、次の中国戦を2次とすれば、韓国戦は国内組の“最終試験”だった。日本協会の西野技術委員長は「今日まではかなり、これからの競争に入っていける選手がいた。ただ、この試合で判断できた選手がいたかというと正直、難しい」と顔を曇らせた。ほとんど落後してしまった。

 試合後はブーイングが飛び交った。昌子は昨年6月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(1-2)を思い出した。「あのときは拍手だった。ブーイングは(激励の)メッセージ。当然と思うし、ありがたい。悔しさを忘れずにやっていく」。17年最終戦は選手おのおのに、今の力量を深く突きつける試合になった。【今村健人】