【リエージュ(ベルギー)22日】日本代表MF大島僚太(25=川崎フロンターレ)が、今日23日のマリ戦で先発する可能性が高まった。海外組を含めた代表戦では、国際Aマッチデビュー戦ながら初先発を果たしたW杯(ワールドカップ)アジア最終予選の初戦UAE戦以来1年半ぶり。大黒柱のMF長谷部とボランチを組み、W杯ロシア大会へ生き残りを目指す。

 冷たい雨が降る中で大島は気持ちを高めた。冒頭15分が公開された公式練習。関係者によると、紅白戦で主力組に入った模様で、昨季J1王者のボランチに出番が回りそうだ。「(W杯が)近づいている感覚はある。(大会メンバー発表直前の合宿は)初めての経験。あまり敏感にならず、自分に集中してプレーしようと思う」と平常心で臨む。

 国内組で臨んだ昨年12月の東アジアE-1選手権で先発経験はあるが、海外組を含めた代表戦の先発起用は約1年半ぶり。16年9月のW杯最終予選UAE戦で2失点に絡んで試合も敗れた。当初はハリルホジッチ監督から「声が聞こえない」と指摘されてもいた。しかし、この日の会見では「就任当初、私が追いかけていた時よりはるかに発展している」と言わしめた。今回招集外のMF井手口らとW杯切符を懸けて競争することになり、巡ってきたチャンスで猛アピールする。

 本人もロシアへの思いは強い。主力として活躍した16年リオ五輪。開幕前の壮行試合でブラジルと対戦し、日の丸を背負う責任感を感じた。「リオ五輪の時に『本戦でブラジルとかとやってみたかった』と感じた。だから、ロシアで国をかけて戦う本気の場で出たい気持ちはあります」。

 国際Aマッチ出場はまだ2試合。経験は少ないが、世界の舞台で戦う覚悟はある。昨季から所属の川崎Fでは背番号10。攻撃へ絡む意識も高い。「代表とフロンターレで求められるものは違うけど、ブロックを敷かれる前にチャンスがあれば(縦パスを)狙っている」。大島にとって勝負の時が来た。【小杉舞】