サッカーW杯ロシア大会に出場する日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が電撃解任されることが8日、分かった。

 W杯開幕まで3カ月を切ったが成績は振るわず、求心力も低下。3月の国際親善試合マリ戦、ウクライナ戦とも低調な内容で本大会への不安を露呈していた。今日9日に日本協会は都内で常務理事会を開く。指揮官更迭で、6度目のW杯は新体制で臨む緊急事態となる。

 W杯目前に、ハリルホジッチ監督が解任される。今日9日に電撃解任という大ナタが振るわれ新体制でW杯に臨むことになる。すでに水面下で、関係各所に説明が行われたようだ。

 W杯予備登録メンバー(35人)の選出前、最後の活動となった3月の国際親善試合も目を覆うような内容だった。仮想セネガルの格下マリには1-1の引き分けが精いっぱい。ウクライナには1-2で完敗した。W杯に出ない2チームに勝てず、海外組を招集した編成では公式戦5戦勝ちなしとなった。

 このベルギー遠征で指揮官の求心力は急激に低下。同行していた団長の西野技術委員長が宿舎で選手や、チーム関係者に入念な聞き取りを行った。チームの苦境を帰国した3月末に真っ先に田嶋会長に報告。同会長も各方面に聞き取りを行った上で、急きょ欧州に飛んだとみられる。

 15年3月の就任から3年強が経過したハリルホジッチ監督は、その強烈なキャラクターと歯に衣(きぬ)着せぬ物言いでチームを刺激してきた。激戦のアジア最終予選も首位突破。しかし、W杯を前にしても攻撃は手つかずでチームは迷走。マリ戦後には複数の選手が公然と、戦術に異を唱えるなどした。

 日本協会は、苦しんだ最終予選の終盤、昨年8月と、宿敵・韓国に完敗した同12月の東アジアE-1選手権後にも解任の可能性を探ったが、続投させた過去があった。指揮官はベルギー遠征後も日本に戻らず欧州に滞在中。W杯に向けた海外組の視察を続けていた。

 解任へ、このタイミングがラストチャンスだった。過去2度、緊急登板し日本を救った岡田武史氏はこの日、監督引退を明言し、候補にはなり得ない。チームと選手をよく知り、監督経験豊富な西野技術委員長、手倉森誠コーチらの“昇格”が検討されるとみられる。