日本代表監督を電撃解任されたバヒド・ハリルホジッチ氏(65)が、今月27日に都内で記者会見を行う。20日、日本記者クラブから発表された。7日の契約解除後、フランス・リールの自宅で日刊スポーツの直撃に予告していた反論の場。日本協会の田嶋幸三会長(60)の解任説明に対して「うそだ、でっち上げだ、陰謀だ」と不満を隠しておらず、近日中に来日して関係者と協議。デュエル(決闘)を仕掛ける準備に入る。

 あの男が、ついに来る。ハリルホジッチ前監督が近く来日、27日に会見を設定した。リールで日刊スポーツの直撃を受けた際「私は日本で知名度があるから説明が必要だ。東京の全メディアを集める」と宣言していた通り、関係者がサッカーの枠を超えて日本記者クラブへ打診。日本協会・田嶋会長の解任発表会見に詰めかけた260人を上回ってもいいよう、363平方メートルの広さに最大300人を収容できる会場を用意した。

 田嶋会長が挙げた「選手とのコミュニケーション、信頼関係が多少薄れてきた」との解任理由には、翌10日に「うそだ、でっち上げだ、陰謀だ」と否定。「数字(データ)を示して真実を明かす」と宣戦布告している。7日にパリで解任を通告された時は、怒り狂って英文の契約解除文書を突き返した。滞在中、荷物整理のため日本協会の監督室を訪れる。再交渉を求め、田嶋会長を“襲撃”する可能性もゼロとは言えない。

 もともと、この時期に再来日してJリーグ視察を再開する予定でもあった。リールでは「日本のサポーターに自らの口で説明したい」とも話しており、会見前後にあるJ1の会場を“視察”することも要警戒だ。

 いずれにしても、前任者はケジメをつけに来る。日本協会は法務部門と徹底的に契約条項を確認した上で解任。自信はあるが、コミュニケーション不足という指摘は主観が入る争点だけに、ハリルホジッチ氏がマラン(ずる賢さ)全開で形勢逆転を狙ってくるかもしれない。日本協会は「会見内容を確認させていただきます」とコメント。引き続き誠意を持って対応するため、相手の出方を見る。放談の予定は1時間。ガニエ(勝利)しか信じないハリルホジッチ氏が仕掛ける、捨て身のデュエルの結末は…。前指揮官と協会、どちらも無傷では済まない予感が漂っている。【木下淳】