日本代表MF長谷部誠(34=フランクフルト)が22日、4年前の雪辱を果たすカギを手に東京・羽田空港へ帰国した。19日のドイツ杯決勝ではバイエルン・ミュンヘンを3-1で破り優勝。ワールドカップ(W杯)初戦で戦うコロンビア代表FWハメス・ロドリゲスからボールを奪い、ゴールへの起点となった。ハメス封じへの確かな手応えとともに西野ジャパンに合流する。なお合宿中の日本代表は、この日も千葉県内で練習を行った。

 長く主将として日本代表を引っ張ってきた長谷部が、充実の表情で帰ってきた。ドイツ杯決勝にフル出場し、Bミュンヘンを撃破。本職のボランチに加えセンターバックでもプレーする“ポリバレント”ぶりを発揮し、タイトルを手にした。

 「まずは(30日の)ガーナ戦でいい準備をして、選ばれないと。サバイバルは毎日の練習から始まっている」。西野監督から引き続きキャプテンマークを巻くことを希望されている立場でも、引き締まった表情を崩すことはなかった。

 ドイツ杯決勝ではロドリゲスともマッチアップ。1-1の後半37分には激しいプレスをかけてボールを奪い、決勝点につなげた。前回大会で6ゴールを挙げ得点王になった相手に「フリーにしたら世界でも1位、2位のすばらしいプレーをする」と敬意を示しながら「いかにプレッシャーをかけるか。ウイークポイントはある」。フランクフルトが講じたハメス対策は「生かせる部分はあると思う」と積極的に日本代表に還元。前回1-4と完敗した難敵への雪辱に燃える。

 今年1月で34歳になった。「正直、前回大会が終わった時はロシアのピッチに立っているイメージが描けなかった」。ブラジル大会から4年、昨年は右膝の手術でシーズンを棒に振るなど苦しい時間も長かった。あきらめずに歩み続けた結果、自身3度目のW杯が目前にある。「いい状態でW杯を迎えるチャンスがきている。個人的にわくわくしている」と言葉に力がこもる。

 W杯へ残された時間は刻々と少なくなっている。チームがまとまることに自信を見せる長谷部は「1センチ、1ミリの差が勝敗を分けることもある。そこを求め合って、激しさを求めたい。自分からどんどんやりたい」。試合を迎える瞬間まで一切、手を抜くことはない。【岡崎悠利】