日本代表MF長谷部誠(34=フランクフルト)が、西野サッカーへの適応に自信をみせた。西野監督はこの日、前日24日に負傷離脱したMF青山を除く全26選手がそろった千葉県内での練習後の取材で、3バックの採用を明言した。キャプテンを務める予定の長谷部は同戦術を成功させるポイントに「コミュニケーション」を挙げ、サッカー・ワールドカップ・ロシア大会を前に戦うガーナとの国際親善試合(30日・日産スタジアム)の必勝を誓った。

 長谷部の表情に驚きはなかった。選手との全体ミーティングではまだ明かされていなかった西野監督の3バック構想について「オプションが増えることはいいこと。全然対応できると思っている」と自信をみせた。所属するフランクフルトでは3バックの中央を担うことが多く、DF吉田や槙野、酒井宏らもそれぞれのクラブで経験済み。同監督は4月の欧州視察で一部の選手に3バック構想を打ち明けており、満を持しての採用となる。同監督は練習後の取材で「いろんな形に対応していかなくてはいけない。システムも人も変えていかないとW杯は戦えない。3バックも考えている」と話した。

 もう同じ過ちは繰り返さない。長谷部は3バックのポイントについて「しっかりと周りの選手とコミュニケーションをとっていかないといけない。一番大事なのはコミュニケーション」と話した。選手とのコミュニケーション不足を理由に解任されたハリルホジッチ前監督体制を意識したと思われる。この日の西野監督との会話についても「限られた時間の中でコミュニケーションをとっていくことは必要なこと。監督だけじゃなく、コーチの方々とも自分からコミュニケーションをとっていきたい」と意思疎通の重要性を強調した。

 合宿5日目にして全26人がそろい、昼食会場では顔合わせも行った。チームの雰囲気について「当然、監督が代わるとピッチ内外での雰囲気も変わる。監督からは『こういう状況なので日本代表に対する期待感が薄れている』という話もあった」と明かした。「そういった意味でも次のガーナ戦はすごく大事。日本中を巻き込んでいけるようにしたい」と意気込んだ。決意を新たに、西野ジャパンが動きだした。【松尾幸之介】