ワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本を16強に導き、今月末に退任する日本代表の西野朗監督(63)が19日、東京・JFAハウスで取材に応じ、26日にも誕生する新生日本代表に向け「もうベスト8というものを明確に目標持って入っていけるサッカー界、代表チームだと思うので」と22年W杯カタール大会での8強入りを託した。この日は西野ジャパンの最後のスタッフ会議も開催し、戦いを検証。次の代表へと引き継ぐ。

 西野監督はW杯と同じ、白シャツの開襟スタイルで取材に応じた。日本を熱狂させた指揮官が取材に応じるのは5日の帰国会見以来2週間ぶり。代名詞ともなったダンディーないでたち。「反響? 何かすごいですね。電車に乗りづらい。この格好、いでたちでいるとダメですね」。平然といつもの口調で“時の人”エピソードを語った。

 正直で、語り口に一切嫌みがないから、自慢話には聞こえない。W杯で戦前の低評価を覆す戦いを指揮し、言葉にも説得力が増す。26日にも誕生する新生日本代表へのエールを問われ、力強く思いを託した。

 「彼ら(選手)がみせたパフォーマンスは、世界に対してある程度、抵抗できた。対抗していけるフットボールを出せた。それを持って次へ。帰国して言いましたけど、8年スパンで16強ではない。もうベスト8というものを明確に目標持って入っていけるサッカー界、代表チームだと思うので。意識はそこ、ハードルはそこにしっかり。(そう)とらえられるような大会のチャレンジだった」

 就任前には約2年間、技術委員長として、田嶋会長の唱える「育成日本復活」を支えた。その経験、手ごたえから「下のカテゴリーは黄金世代だと思うんです。間違いなく20も17(U-20、U-17が世界で)も通用する。タレントが多い。本当に明るいなと思います」と言った。

 ロシアでの戦いを隣で支えてくれた森保コーチの、次期日本代表就任が確実視される。バトンはスムーズに受け渡されることになりそうだ。【八反誠】