日本代表MF堂安律(20=フローニンゲン)が、国際Aマッチ初ゴールを挙げた。2-2の後半14分、代名詞の左足でゴール左を射抜いた。森保監督が兼任する東京オリンピック世代のエースで、同世代ではA代表初得点一番乗り。日本サッカー界の将来を担う若武者から待望のゴールが生まれた。

 ◇  ◇  ◇

堂安はエリート街道を進んできたわけではない。ガンバ大阪ユース所属時の15年、高2(16歳)でJ1デビューした。翌16年に高3で飛び級トップ昇格。だが、プロ1年目は苦難の連続だった。なかなか起用されず、トップの練習にさえ合流できない日もあった。

事実上2軍扱いの、J3のG大阪U-23が主戦場になり、当時トップを率いていた長谷川監督(現東京FC)からは「メッシのようなドリブルを持ってるわけでもない。速いわけでも、特別何かがうまいわけでもない」と厳しい言葉をもらった。そんな時、支えてくれたのはU-23の実好(さねよし)監督だった。

堂安だけのプレー映像を見ながら、何度も課題を指摘してくれ「もっと上でプレーするんやろ?」と励まされた。「あの苦しさを乗り越えられたからここまで来られた」。心が折れかけたホープは、周囲に支えられて今がある。【小杉舞】