日本代表の森保一監督(50)が10月31日、負傷禍の左サイドバック(SB)に新顔が台頭することを期待した。常連の長友、車屋が負傷離脱した中、11月の国際親善試合(16日ベネズエラ戦=大分ス、20日キルギス戦=豊田ス)に向けてリオ・オリンピック(五輪)世代の横浜F・マリノスDF山中亮輔(25)らを招集するプランが浮上。勢いある20代前半の競争が始まる。この日は大分県庁に広瀬勝貞知事(76)を表敬訪問した。

ベネズエラ戦の舞台大分を訪れた森保監督に、悲愴(ひそう)感はなかった。鉄板の左SB長友が肺気胸で手術を受け、退院したばかり。今月はもちろん、来年1月のアジア杯UAE大会参加も厳しくなっているが「ゆっくり休んでほしい」と冷静にねぎらい、仮定の話としながら「SBは上下動できる運動量が必要。いい守備から、いい攻撃に移れる選手を探している」と代役の条件を口にした。

ハリルジャパン常連だった車屋も左太もも裏を肉離れ。この日、全体練習には合流したものの流動的だ。広島佐々木しか計算が立たない中、森保監督には20代前半の左SBを抜てきする腹案があるという。その有力候補としてリストの序列を上げたのが、横浜でブレーク中の山中と判明した。

森保ジャパンで存在感を高めるリオ世代の主軸だった。16年に五輪アジア最終予選のV突破に貢献。同じ左サイドの中島とは高校時代から日の丸を背負い問題なく連係できる。セットプレーのキッカーも任されていた。横浜では攻撃的ウイングバックとして計8アシスト。うちクロス5本は今季J1最多だ。先月27日のルヴァン杯決勝で森保監督の視察も受けている。

ほかにも候補はいる。森保監督はこの日、大分から鹿島アントラーズ-セレッソ大阪戦へ直行。視線の先で、サイドハーフでも起用できる鹿島安西が途中出場した。続く2日のJ1は湘南ベルマーレ-清水エスパルス戦1試合で視察先になる可能性が高い。そこには、森保監督が兼任する東京五輪世代のU-21代表で、ルヴァン杯で優勝弾を決めた杉岡が、清水には武闘派の左SB松原がいる。長友離脱は痛手だが、新陳代謝のきっかけになればいい。若手の競争に期待は膨らむ。【木下淳】