DF酒井宏樹(28=マルセイユ)が代表史上3番目に遅い国際Aマッチ49試合目での初得点を挙げた。前半39分、右サイドで得たMF中島のFKを右足ジャンピングボレーでとらえ、GKの手をはじいて豪快にネットを揺らした。練習から酒井がポジションを取っていた、遠いサイドにボールを要求していたと明かし「『ここに蹴って』と言っていたところにきた。(中島)翔哉のボールがよかった」と振り返った。

12年5月のアゼルバイジャン戦で代表デビューしてから約6年半。DF駒野の65試合、MF今野の54試合に次ぐ史上3番目に遅い初ゴールにも表情は渋かった。酒井がサイドバックの役割として最重要に挙げるのは「アシストと無失点に抑えること」。先制ゴール後の後半36分に、ペナルティーエリア内での浮き球の競り合いで相手選手に反則を犯し、同点のPKを与えてしまった。「冷静にならないといけない時間帯で冷静さを欠いた。相手を押し返そうとポジションを高くとって攻め込むスイッチを入れたかったが、それが裏目に出た」と猛省した。

それでもMF堂安との連係で何度も右サイドからチャンスをつくるなど、攻めの姿勢はチームにプラスの効果をもたらしていた。「(堂安)律の特徴を引き出してあげるようなプレーを心掛けた。そこは次につなげていきたい。勝てればよかったけど(PK献上が)非常にもったいなかった」。次に出場すれば代表通算50試合目。節目の試合で、この悔しさを晴らす。【松尾幸之介】