新戦力発掘とはいかなかった。ボリビア戦で、森保一監督(50)は就任14試合目で3度目の「先発総入れ替え」を敢行。

後半途中に途中出場した森保ジャパン常連組の活躍により1-0で勝利した。「チームの底上げ」を掲げて臨んだ今回の2試合だったが、期待していた新たな発見にはつながらず。平成最後のA代表戦で連敗を2で止めたが、課題解消への道筋はつけられなかった。

もろ手を挙げて喜べる勝利ではなかった。22日のコロンビア戦から先発を全員入れ替えて臨んだ一戦。1-0で勝利は手にしたが、唯一の得点は途中出場のMF中島。MF堂安、南野、柴崎といった顔なじみの選手がピッチ上に増えるほど、日本が連動した。森保監督は「経験の浅い選手もコロンビア戦、ボリビア戦でプレーしてもらいました。両方ともプレー面である程度は手応えをつかめたということが、経験の浅い選手に総じて評価としては言えること」と一定の評価をしつつ「試合を決定づけるとか流れを変えていくとかまだまだ力を付けてほしいなと選手には先ほど伝えました」と明かした。

チーム力の底上げが、この2試合での命題だった。故障中のFW大迫やDF長友、主将のDF吉田を招集せずに新顔を加え、2月のアジア杯から13人変更。主力不在でアピールするチャンスを与え、新たな可能性を見いだす狙いがあった。

現実は厳しかった。「ポスト大迫」を期待されたFW陣は無得点。2試合のシュート数も鈴木が2本で、鎌田は1本。南米勢相手にPKによる1失点と奮闘した守備陣とは対照的に、攻撃陣は就任後に軸に据えてきた選手たちの存在感が逆に際立つ結果になった。だからこそ、指揮官は「日本代表としてプレーできる力を示してもらいたいと、より多くの選手に求めていきたい。特に攻撃的な選手に関しては決定的な仕事をできる選手が、より出てきてくれれば」と切に願った。

6月に国内で親善試合2試合をへて、南米選手権(ブラジル)に向かう。選手層を厚くするために大胆な人選に着手した今回と違い、次回は「これまで招集した選手たちを軸に、あとは選手の活動を通して招集していきたい」と成熟度アップに比重を置きそうだ。「平成は終わりますが(先人が)培ってくださったものを新しい時代に発展させていければ」。森保ジャパンをより強固なチームにするための課題は、新元号の新時代へと持ち越された。【浜本卓也】