日本サッカー協会(JFA)の技術委員会の委員長に、Jリーグ特任理事(非常勤)の反町康治氏(56)が新たに就任することが10日、濃厚となった。

14日の理事会で報告され、29日の評議員会と新理事会を経て正式決定となる。現委員長の関塚隆氏(59)は代表全般を統括するナショナルチームダイレクターとなり、A代表や東京五輪世代のU-23(23歳以下)日本代表などの強化に専念する。

同委員会は代表監督の選定などに関わる、強化の根幹となる組織。反町氏は08年北京五輪でU-23日本代表を指揮し、A代表でもコーチ経験がある。12年から昨季までは松本の監督を務め、18年にはJ2優勝に導いた。国内の事情にも明るいことから、日本協会が白羽の矢を立てた。強化、育成といった全般を主導することになる。

関塚氏が就任するナショナルチームダイレクターは森保体制のサポート役。A代表とU-23日本代表を森保監督が兼任しており、両チームの活動スケジュールが重なる部分も多い。技術委員長として森保氏を代表監督に推挙した関塚氏が専念することで、JFAとしてバックアップ体制を整える。

五輪世代は1月のU-23アジア選手権(タイ)で1次リーグ敗退に終わるなど、逆風の中にあるのも事実。反町、関塚両氏を新たなポストに立て、日本代表と日本サッカー界の成熟に力を注ぐ。

◆反町康治(そりまち・やすはる)1964年(昭39)3月8日、埼玉県生まれ。清水東高-慶大-全日空。社員として全日空、横浜Fでプレー。日本代表として国際Aマッチ4試合出場。94年に平塚(現湘南)とプロ契約、97年に引退。01年に新潟、06年から五輪代表監督を務め08年北京五輪に導く。09年に湘南、12年に松本の監督に就任。新潟、湘南、松本をそれぞれJ1に導いた。

◆関塚隆(せきづか・たかし)1960年(昭35)10月26日、千葉県生まれ。八千代高-早大-本田技研。91年に引退し、早大監督、鹿島、清水コーチを経て04年に川崎F監督に就任。10年から五輪代表を率い、12年ロンドン五輪で4強。磐田、千葉の監督などを経て、18年4月から現職。